レンタル・フルムーン〈第1訓〉恋愛は読みものです (電撃文庫)
瀬那 和章
SF(少し不思議)系ラブコメ……か?(笑)
あー、これは面白かった! うん、こういうのすごく好みです。 物語の世界観は、いわゆるローファンタジー。 日常の中に突然現れる非日常。 でも、そういう世界の構造はともかく、 この物語は、いわゆる一つの初恋物語なのだ。 意地っ張りで強がりなヒロイン。 彼女に関わる面倒ごとに巻き込まれる主人公。 面倒なんていやなのに、恋なんて興味ないのに、 次第に彼女に惹かれていくことへの葛藤。 どうしようもなく、やり切れなくて下した決断。 後悔。迷い。 そして、告げられる天啓のような姉の言葉。 ああ、いいなあ。 この想いの熱さ。 もう、自分のツボを押しまくりだよ。 その後の話の展開も、主人公の心情の持って行き方も どちらも全然違和感なく、読んでて熱くなってしまった。 そんな話に出てくる登場人物たちは、でも、どっちかって言うとみんな残念な人たちだけどね(笑) ただ、それぞれキャラが立ってていい味出してる。 そんな中、オコジョ少女のクルンがかわいすぎる! 健気だなあ。思わず抱きしめたくなるよ! さり気なく出てくるギャグのセンスも良く、 読んでて時々ぷっと吹き出しそうになった。 うん、いいお話だった。 個人的には今年一番ツボにはまった。 新しい発見だ。
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輪環の魔導師3 竜骨の迷宮と黒狼の姫 (電撃文庫)
渡瀬 草一郎
お姫様の登場です!
シリーズ三巻目は、魔族から逃げて隠れたお姫様を捜す話。 セロたちと同じように魔族側も彼女を追ってきている中で、 当然両者がぶつかり合うことになるわけで、 なかなか緊迫の展開だった。 そんな中で、幼い頃の王女と魔族になってしまったヴィオレとの関わりや 老騎士とのエピソードがいい感じだ。 そして、やっぱり、お姫様が勝ち気で強いのがいいよね! セロとの出会いの場面は、まあ、お約束。 一巻のフィノの登場場面を思い出してしまった。 そんでもって、そのフィノが二人が何しているところへ(?) 現れた時は、いやあ、血を見るかと持ったよ(笑) この先、お姫様とフィノの間で恐ろしいことが起こらないこと祈るよ。 ラストの多人数が入り乱れる戦闘場面の緊張感もいい。 特に、怒ったアルカインがステキすぎる! そして、セロはただみんなに守られているよりも 自分もみんなを守りたい決意する。 彼は少年から、男になったのだ。 うん、これからの成長が楽しみだ。 物語は魔族との戦いのさなかで終わっていて、 さて姫様は囚われてしまったのか? セロたちはどうなったのか? 次は敵の本拠に乗り込むことになるのかな? 次巻がすごく気になる終わり方だ。
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輪環の魔導師 (2) 旅の終わりの森 (電撃文庫 わ 4-26)
渡瀬 草一郎
本当の旅立ち
少年が冒険へと旅立つ王道ファンタジーの第2巻 前巻で旅立ったセロだけど、改めて、今巻が本当の旅立ちだと思った。 前巻で魔族に狙われ故郷を後にしたセロ。 ただ、その旅立ちは、周りの人たちを危険に巻き込みたくないという、ある意味後ろ向きな理由だった。 でも、この巻では、彼は自分の能力を初めて肯定的に捉えることができ、次の旅に向かって、さあ、いくぞという、前向きな気持ちになった。 それは、彼の中での本当の旅立ちだろう。 ラストの、自らの意思で前に進もうという感じがいい ところで、今巻では新たな旅の仲間が増えて、ますます王道ファンタジーになってきた。 その分、アルカインの活躍が減ったのは残念だなあ(笑) それにしてもセロはお人よしだなあ。 そんなセロにただでさえフィノの心配が尽きないのに、よりによってライバルを助けてしまうなんて!(笑) この巻では彼女の恐ろしい悋気の発動はなくて平和だったのに、 次巻が心配だ(笑) その次巻から、物語は魔族から逃げているお姫様の捜索という流れに乗って進んでいくのだろう。 旅の仲間たちの活躍が期待される。 て言うか、もっとアルカインの活躍を!(にゃあ!)
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フラグの王子様 (HJ文庫 お)
織田兄第
ハーレム展開かと思いきや……
いきなり現れた妖精めいた使い魔に特殊能力を授かるという いかにもライトノベル的な展開で始まる本作。 しかもその能力が、美少女ゲームのような"三択"の選択肢ウィンドウが開いて それを選ぶことでその後の展開が変化するという、 なんともベタというか、中二的というか、 そして、そんな能力を持った主人公の元には、 当然、なぜか美少女たちとの出会いや関わりが訪れるわけで、 いやあ、途中まで絶対ハーレム展開のラブコメになるんだと思っていた。 でも、意外に主人公がマジメで一途な性格で、 本巻ではハーレム展開と言うより、幼なじみ一筋な展開。 そこはわりと好印象だった。 いや、まあ、これがいわゆる本ルートなのかもしれないけど(笑) 特殊能力の”三択”は、その出現状況と選択肢の微妙な関係が なかなか面白かった。 選びたいのに選べない状況って言うのも、 主人公の焦りやもどかしさを表現できてちょっと新鮮。 でも、それが、最後のバトル場面では効果的に使われていて、 手に汗握らされた。 初めての作者であまり期待せずに(失礼!)読み始めたのだけど、 意外に面白かったので、続きも読んでみたいと思う。 でも、展開的には、今度こそハーレム展開になりそうだなあ。 まあ、嫌いじゃないけどさ(笑)
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ストライク・ザ・ブラッド 2 (電撃文庫 み 3-31)
三雲 岳斗
やっぱりそう言うお約束か!
突然"世界最強の吸血鬼"になってしまった高校生を巡る学園バトルシリーズ第二巻。 三雲さんのいつも通りの安定した内容のお話で、 なんというか熟練の職人技を見せてもらったような気がする。 ただ、それだけに、いろいろ展開が読めてしまったのも確か。 作者ならきっとこう来るだろうなあと言う通りに物語が進んで、 ちょっと意外性という面では少なかったかな。 前巻で予想した通り、眷獣一体に付き女の子が一人必要とか やっぱりそう来るよね(笑) 個人的に物足りないのは主人公の性格。 なんというか、鈍感なのは主人公のお約束なのでいいんだけど、 それよりも、どうもネガティブなところが気になる。 もう少し、積極的なところや熱い気持ちが見えないと、 ちょっと主人公に感情移入しづらくて、惹き込まれないな。 女の子たちはみんなそれぞれ魅力的なので、そこが残念。 その少女たち。 雪菜の嫉妬もかわいいし、 新キャラ紗矢華の強さの中に見せる初々しさもイイ でも、個人的に一押しは浅葱さん。 ツンデレとまではいかないけれど、 あのつっけんどんな中にも恋する乙女の葛藤がいいんだよね。 それに今巻では最期に何かを吹っ切ったように積極的になったし、 次巻では三人目の血の契約は彼女じゃないかと うん、頑張って欲しい。
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輪環の魔導師―闇語りのアルカイン (電撃文庫)
渡瀬 草一郎
少年が冒険に出る……正統派ハイファンタジー
わーい! ネコだ! にゃんこだ! にゃんこだよー! ……し、失礼。取り乱しました(笑) えー、本作はライトノベルのくくりよりも いわゆるファンタジーの括りに入れた方がいい本格派ハイファンタジー。 よく練られた世界観と、隠された謎の数々。 突然の出来事により運命の歯車が回転しだし、 少年は自らの意志で冒険に旅立つことになるわけで…… うん、これぞまさに正統派ファンタジー。 王道中の王道だね。 ただ、その旅に勝ち気な少女が一緒について行くことになるのは、 まさしく今時のライトノベル的展開。 そう言う意味で本作は両者の面白さがうまく融合していると思う。 そして、なんといっても楽しいのは、旅の仲間が……ネコなこと(笑) しかもただのネコじゃないよ! 長靴を履いたネコだよ! うーん、ステキ!(笑) いやあ、にゃんこ好きにはたまりませんなあ(笑) 彼は悪者に魔法でネコの姿にされたそうだけど、 いや、その魔法、解いて欲しくないよね!(笑) ということで彼の活躍が楽しみだ。 ところで主人公セロの能力は、言ってみれば『とある魔術の』当麻の右手と同じ。 わりとメジャーな気もするが、さて、この能力を本作ではどう使いこなしていくことになるのかな? 続きに期待したい。
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乃木坂春香の秘密〈14〉 (電撃文庫)
五十嵐 雄策
ようやく、ようやくの、この瞬間!
シリーズ14巻。 ようやく、ようやっとの、告白だよ! あ〜、よかったあ! そのあまりにもの裕人の鈍感さと、 いつまでも進展展開の遅さに、 途中でイライラして、もう読むのをやめようかと思った本シリーズ。 いやあ、ここまで諦めずに読んできた自分を褒めてあげたい(笑) ようやく、裕人が男を見せた。 長かったなあ。 今までさんざんイライラさせられたけど、 この巻の裕人はまあ合格だ。 うん、よかった。 物語は次巻が最終巻のようで、 最期に大きな障害が待ち受けているのは、まあ、お約束。 そんな障害を二人で乗り越えてハッピーエンドにたどり着いて欲しい。 そのためにも、次巻、裕人のさらなる奮闘を期待したい。 頼むぜ、裕人!
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とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫)
犬村 小六
一騎打ちのその先へ……
『夜想曲』の下巻。 物語はライトノベルと言うより、架空戦記物の様相を見せてくる。 まあ、ぶっちゃけ、太平洋戦争のオマージュというか、 戦争の推移やエピソードにあの戦争がモデルとして使われているのがわかる。 なので、下巻はほとんど戦争場面が続く感じ。 その中で次第に追い詰められていく帝国軍を見るのはちょっと辛い物がある。 そんな戦記物的展開の中でも、 思ったほど中弛みすることなく、 たとえば、敗北の中での奇襲作戦や、 休み無い出撃模様や、 最後の一大決戦への準備。 そんな中でのわずかな千々石とユキの邂逅。 そして、最期の出撃から、 ラストの千々石と海猫の一騎打ちへと 繋がっていく展開は、さすがだと思う。 そして、やっぱり作者の描く空戦場面の凄まじさ。 臨場感はハンパではない。 ラストの海猫シャルルとの壮絶な一騎打ちは、 読んでるこっちも息も出来ないほどの苦しさと 決着へのドキドキ感を感じた。 決着と言えば、最後の決戦前から、千々石の死亡フラグは立ちまくりで、 これはやっぱりそう言う結末なのかな? と思ったけれど、 ラストの海猫シャルルとの一騎打ちから、 その後の300機の敵機に囲まれての触敵行動を読みながら、 ひょっとしたらこれは、という希望を持った。 でも、やっぱり最後は、この作者らしく、実に真っ当な決着の付け方だった。 それは切なく寂しくはあるけれど、でも、最後までやりきった、納得の出来る最期だと思える。 そう言う意味で、満足な結末だった。 それにしても『とある飛空士シリーズ』は、どれもこれも単純なハッピーエンドにはならないんだなあ。 それぞれにそれぞれの感慨が沸き上がり、 読んだあとに必ず余韻の残る良いシリーズだと思う。
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とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫)
犬村 小六
それぞれにそれぞれののドラマが
「とある飛空士への追憶」でシャルルの強敵として登場した飛空士・千々石の物語。 敵味方は違えど、それぞれにそれぞれの物語があるんだなあと、実感する。と言うか、そういう相手側のお話も書いてしまう作者のこの世界への想い入れが嬉しい。 「追憶」好きとしては、正直もう一度シャルルに会えるのを期待して読み始めたわけだけど、この巻には直接は登場しない。 でも、千々石のストイックな正確と子供時代の話にどんどん引き込まれていった。 特に少年時代の彼と少女ユキとのエピソードがいい。 無口でぶっきらぼうな千々石がユキの協力で予科練に合格したときに初めて見せる体中で表した素直な喜びに瞼が熱くなった。 二人の再会の場面での互いの想いのすれ違いも相手を思えばこそなのだ。 二人の行く末がどうなるのか非常に気になる。 空戦に関しては、千々石の技量が圧倒的なので、いつもの様に臨場感は抜群だったけど、盛り上がりという面ではもうひとつだった。 でも、下巻ではついに彼とシャルルの再戦が訪れるわけで、いやがおうにも期待が増す。 どういう決着が待っているのか、心して見届けたい。
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神様のメモ帳 7 (電撃文庫 す 9-15)
杉井 光
なんとも哀しくて優しい物語
『神メモ』第7巻は、なんとも哀しい、けれど優しい物語だった。 今回は、探偵団のメンバーで言えば、少佐にスポットが当たったエピソード。 一方で、ホームレスの父親と、その娘の間の哀しい愛情の物語でもある。 で、今巻はこのシリーズで久々に読んでてイライラしてしまった。 こんな感じは一巻や二巻を読んで以来じゃないだろうか? なんとなれば、今巻のナルミがへたれすぎなのだ。 いつまでもぐだぐたウジウジと悩んでいる姿。 その姿はシリーズ始めの彼の姿に重なって、 だー! おまえは今までいったいなにを学んできたんだ! おまえの取り柄は、わけがわからなくいても、ぶち当たっていくことだろう! と叱ってやりたくなってしまった。 最後の最後、少しはそんな彼の姿を見れて、ちょっと胸をなで下ろす気分だった。 物語的には、いつにもましていわゆる事件の謎というか真相の解明にも力点が置かれていて、最後の最後にアリスが明らかにする真実が、哀しくも温かくて、胸が詰まった。 この感じ、読んでてちょっと島田荘司の作品を想起してしまった。 そんな悲しさと切なさといとおしさと温かさに満ちた作品だと思う。 そんな苦しい物語の中で、一服の清涼剤(?)なのは、平坂組のバカたち(笑) どんな緊張した場面でも、彼らが出てくると和むわー。 それと、ナルミハーレムにまたメンバーが加わったよ。 しかも、公式にも彼氏扱いだし(笑) そんな新メンバーの登場に対するアリスの狼狽えぶりも堂には入っていて(?)いや、楽しいかった。 これで探偵団界隈のメンバーのエピソードも一回り。 あとはアリス自身のエピソードがまだな感じかな。 それがいつ語られるのか? まだまだ続いて欲しいシリーズだ。
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