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怪しい来客簿 (1977年)

色川 武大

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2011/03/08
過分でない生き方
それから深い生き方
心をこめた挨拶が
すっとできるような日常
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東京の横丁

永井 龍男

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2011/02/20
「老残の未明時は、三途の川を行くより辛かろうか。」

「好い天気だからこそ、散歩に出たのだ、
石蕗の花をしっかり見届けよ、
十一月の黄色だぞと自らをいましめた。」
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飢ゑの季節 (1948年) (新鋭文学選書)

梅崎 春生

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2010/12/09
私も不幸だけれど、
私の不幸は身体を一回転ころがしさえすれば
消えてなくなるやうなものに違ひない気がした。

やがて私は一本の材木のやうに健康な感動をなくしてしまふだらう。
そしてあの材木のやうに朽ちてしまふだらう。
そのときになつて朽木のやうな私を、どうして私は彫ることが出来るだらう。
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縁さきの風―雑文集

永井 竜男

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2010/04/03
小さな栖処を出ていった。
ここまでは、人並みの若さと云うものであったが、
半生を経て気がついてみると、
わが身はいつのまにか埃にまみれて、元の小さな栖処へ戻っていた。
なにか、手応えを求めて出て行ったに違いないのだが、
どこをどのように歩いていたものか、
本人には分明ではない。
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一滴の夏 (1976年)

野呂 邦暢

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2010/03/25
人生をやり直したいと思わない男はいない。
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文士の風貌

井伏 鱒二

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2010/02/11
男の胸のなかには婦女子にわからない磊塊といふものがあり、
酒はこの磊塊にそそぐものである。
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一個・秋その他 (講談社文芸文庫)

永井 龍男

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2010/02/05
仕事は、やはり美しい。
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暗い夜の私 (1969年)

野口 富士男

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2010/01/31
私は誇るべき何ものも持たない人間であることを
自分でも知っていた。
相手が私を蹴れば、私はただ黙って蹴られているより
仕方のない人間であった。
島木さんの最もきらいなタイプの人間が文学青年で、
私がその一人である以上、その侮辱は避けられぬものであったが、
蹴られている人間にも、文学作品を通して、
蹴っている相手の顔を見る権利はある。
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読書日録大全

著者なし

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2010/01/13
深夜、静寂のなかに深く身を沈めて、
読書するときの楽しさは格別である。(菊池昌典)

梶井基次郎を読みかえしていたら、
「檸檬」のはじめのところの一節が、まるで佐伯祐三の
絵を言葉で書いているようなのに心ひかれた。(小田切秀雄)

本を前にしてさあ読むぞ、というとき、
その本が折詰みたいに思えてくる。
茶巾ずしにのり巻きに、自分の好みのものばかりが
ぎっしりはいっていて、一つ残らず食べられるという、
その気持によく似ている。(尾辻克彦)

虫も這い出るスキのない攻め方、
「しかし」と相手に言わせない結論締め、
知性しか認めないという一本調子の姿勢は、
どこから出たものなのなのだろうか。
行間からにじむ彼女の優越意識に、へたへたになってしまうのだ。
男たちが腕を組んで阻止する世界を突破せんとすれば、
止むを得ないのだろうが、もし、彼女が私の近くにいたなら、
一度くらい、はり倒していたのではないか。(生江有二)

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単純な生活

阿部 昭

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2010/01/04
―――そんなものが人生なものかね、
人生っていうのはもっともっといいものだよ、と。

  子供のころには見る夢があったのに
  会社にはいるまでは小さい理想もあつたのに。

もう子供のあの頃のような愛され方で
人から愛されるということは勘定に入れてはならない。

人の一生が終わった時、その永い思い出の他に
どんな飾りが必要だろう。
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