侍 (新潮文庫)
遠藤 周作
日本人にとっての神とは何か。
藩主の命によりローマ法王への親書を携えて、「侍」は海を渡った。 野心的な宣教師ベラスコを案内人に、メキシコ、スペインと苦難の旅は続き、 ローマでは、お役目達成のために受洗を迫られる。 七年に及ぶ旅の果て、キリシタン禁制、鎖国となった故国へもどった「侍」を待っていたものは―。 政治の渦に巻きこまれ、歴史の闇に消えていった男の“生”を通して、人生と信仰の意味を問う。 (「BOOK」データベースより) 支倉常長をモデルとした主人公から、日本人にとっての神とは何かを描く。 『沈黙』のポルトガル宣教師の視点からの「日本人にとっての神」とはまた異なる視点で書かれている。 ≪心に残った文章≫ “現世の利益をより多く獲得するために彼らの言う信心がある” (P95) “パードレたちのまことの至福とは日本には烈しすぎる。強き薬はある者の体には毒と変る。”(P164) “「生きた・・・・・・私は・・・・・・」”(P413)
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
河童の手のうち幕の内 (講談社文庫)
妹尾 河童
詳細に描かれた挿絵を見るだけでも楽しい。
妹尾河童のエッセー集。テーマは多岐にわたる。 日本最北端の本屋訪問や、古地図を元に旧山陽道を歩く旅。 自分の蝋人形が作られた話や、「河童」を本名にするための裁判所とのやりとりなどなど。 詳細に描かれた挿絵を見るだけでも楽しい。 巻末の「河童流俯瞰図の描き方」は是非自分の部屋で試してみたい。 ≪心に残った文章≫ “ぼくは旅に出ると、その土地の人がぼくに何を見せたがっているかに興味を持つ”(P271) “ マナーを丸暗記で覚えるより、なぜそうするのかと考えてみると、なおよく身につくよ。” (P286)
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
地図の歴史 世界篇 (講談社現代新書)
織田 武雄
昭和49年には世界地図は完成していなかった!
本書が出版された時点では北極・南極の一部が未調査で、アラスカなどの測量も完成していない。 昭和44年(1969年)にはアポロ11号が月に行っている。その5年後にも関わらず、まだ正確な世界地図が完成していなかったとは驚きだった。 本書は主に西洋の地図の変遷を歴史とリンクさせながら解説している。平易な文章でたいへんわかりやすい。興味深かった新知識は以下のとおり。 ・観察に基づいて作成されたプトレマイオスの世界図は、キリスト教の影響力が絶対的なものになると、聖書に記述がないからという理由で全否定された。 ・イスラムや大航海時代の地図は南が上。 ・ポルトガルのインド航路発見、スペインのアメリカ大陸発見と同様にイギリスやオランダが欧州北東ルートや北西ルートに挑戦し、北極圏の厳しさで多くの探検家が帰らなかった。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
完全征服「漢検」準1級
日本漢字能力検定協会
本当に漢字が好きな人だけが挑戦できる試験
評価はあくまで今の自分にとってというものです。 漢字検定準1級を受験する人はこれから取り組むべき。 漢字検定2級に受かったため、準1級の勉強のために購入。 問題をある程度やってみたが、漢検2級正答率98%だった自分がさっぱりわからない。わかる問題は1割。当て感が3割。正答率4割ほど。 漢字検定2級は読書習慣がある人ならば、2・3週間、問題集を解けば間違いなく受かる。 しかし、1級の出題範囲は日常生活では見ることがない漢字や用法がほとんど。本格的に1から勉強しなくてはならない。 1級・準1級は2級の延長線上で受けれるレベルではない。 本当に漢字が好きな人だけが挑戦できる試験だった。 現時点では自分にそのモチベーションも時間もない。 そのため、この本は持ち腐れになってしまった。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
ショート・プログラム 新装版 3 (少年サンデーコミックス)
あだち 充
サンデーであだち充作品を読んでいた人へ
週刊少年サンデーで毎週あだち充作品を読んでいた人へ。 ナイン、タッチ、ラフ、H2などあだち充の作品は高校生の輝く青春が描かれる。 それに対してショートプログラムシリーズは掲載誌がヤングサンデーやビックコミックが多いためか、大学生や社会人の主人公が多く、大人になった人々が昔の若いころを振り返る郷愁に満ちた作品が多い。 しばらくあだち充の作品に遠ざかっている人は、これやショートプログラム1・2を読んでみてほしい。 大人になった自分へ贈る青春物語です。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
ダッチオーブン大事典
太田 潤
これがあればダッチオーブンをすぐにでも扱える
ダッチオーブン料理のレシピを増やすために購入。 いちいちネットで調べるよりパラパラめくった方が探しやすい。 【あらすじ】 1章 ダッチオーブン使いこなしマニュアル 2章 超簡単レシピ 3章 焼く・炒める 4章 煮る 5章 蒸す・揚げる 6章 燻す 【感想】 ダッチオーブンのシーズニングやプレヒートなどの管理方法が写真付きでわかりやすく説明されている。 まったくの素人でも、これ一冊あればダッチオーブンを問題なく扱うことができるだろう。 ダッチオーブンをプレゼントする場合、これを一緒にプレゼントしよう。 またレシピも豊富でいろいろ試せる。 燻製は家で作る機会がなかなかないがダッチオーブンでは簡単にできる。 自分は屋外ではなく、ほとんど家で使用する。 クリスマスに2つのオーブンで鶏の丸焼きとジャンバラヤを作った。 正月はチャーシューを作る予定。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
人生は手帳で変わる―第4世代手帳フランクリン・プランナーを使いこなす
フランクリンコヴィージャパン
手帳を売るための宣伝本
クリスマスプレゼントに手帳と共にもらった。 毎年手帳を購入するがうまく活用できていない。 この本は参考になるか。 【あらすじ】 人生を有意義に送りたいと思っているすべての人に贈る、『7つの習慣』をベースにした第4世代手帳のガイドである。(単行本帯より) 第1章 時間は管理できない。管理できるのは自分自身の行動だ! 第2章 フランクリン・プランナーこそ第4世代の手帳だ! 第3章 「最も大切なこと」」を発見してから計画・実行する 第4章 フランクリン・プランナーの一歩進んだ使い方 第5章 プロジェクトでフランクリン・プランナーを使う 第6章 デジタル・フランクリン・プランナーを使う 付録 演習:「最も大切なこと」を発見するためのヒント 【感想】 フランクリン・プランナーなる手帳を売るための宣伝本。 何を伝えたいかは目次を見れば十分。 手帳の使い方も、そう目新しいものはなく、細かい使い方は運用しにくそうだった。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
三月は深き紅の淵を (講談社文庫)
恩田 陸
たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本
恩田陸は必ず何か仕掛けてくる。そういう確信を持って買った。 【あらすじ】 『三月は深き紅の淵を』 たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。 作者不明のその本は二百部の私家版が配布され、その後半年ほどで回収されてしまった幻の本。 一度読んだ者は再び読むことを願い、一部しか読めなかった者は残りを読むことを切望する。 第一章 待っている人々 第二章 出雲夜想曲 第三章 虹と雲と鳥と 第四章 回転木馬 【感想】 恩田陸の印象は変幻自在。作品ごとに新たな仕掛けで読者を楽しませてくれる。 『Q&A』では全編1対1のインタビューである事件の真相に迫り、『ドミノ』ではまさしくドミノのように登場人物が交差していった。 本書は謎に包まれた『三月は深き紅の淵を』という本に関わる人々が描かれている。そして、読者たる自分も同じタイトルの本を手にして読んでいる。不思議な感覚を味わいながら読んだ。 感想はある登場人物と同じ。「なんとも『そそる』話なんですね。傑作かどうかはともかく」 また初めからゆっくり読んでみたくなる。私の場合は一晩だけで返さなくてよいのがありがたい。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
数学の影絵 (1982年) (河出文庫)
吉田 洋一
甲子園の決勝戦まで何試合が行われたでしょうか
数学のエッセーを読んで、頭を柔らかくしようと購入。 昭和28年、第一回エッセイスト・クラブ賞受賞作。 【あらすじ】 日常の営みに表裏する数学の影を透徹した眼でとらえ、その影の裡にある無限の広がりをユーモア溢れる軽妙な筆致で綴る。(文庫カバーより) 林檎の味 暑さずれ・寒さずれ 詩人と数学者 トロヤ人口調査 科学と呪術 卓子が動く話 若返り年 算術以前 動く地球、動かぬ地球 数学を怖がる話 数学とは何か 四色の地図 前後賞の謎 出鱈目 他、計50編 【感想】 数学関係の本と思い、心して読み始めたが、普通のエッセーとして面白かった。 数学と関係ない話もあり、著者の幅広い教養と生活の何気ないことを観察する眼を著者は持っている。 もっとも面白かったのは、四色地図問題を扱ったエッセーのなかの甲子園の試合数を計算する話。 さて問題。 2009年夏の甲子園予選に参加した高校は全国4041校でした。 引き分けや再試合はないものとした場合、甲子園での決勝戦までいったい何試合が行われたでしょうか。 答えは本書で。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
司馬遼太郎の日本史探訪 (角川文庫)
司馬 遼太郎
興味がなかった人物や出来事が急に魅力的に見えてくる
司馬遼太郎は歴史を通して、「日本とは」「日本人とは」を見つめ続けた作家だと思う。 小説は最近とんと読まないが、対談集をよく読む。なぜだろう。 【あらすじ】 著者が当代を代表する作家や研究者とともに、日本史を彩る事件や人物について縦横に語り尽くす。(文庫カバーより) 平家を全滅させた軍事的天才 源義経 湊川に戦死した南朝の忠臣 楠木正成 蝮と呼ばれて国を盗った男 斉藤道三 近世を開いた合理的天才 織田信長 天下を分けた大激戦の明暗 関が原 南方に進出した日本商人 朱印船 日本探求に賭けた青年医師 シーボルト 幕末の人材を育てた蘭方医 緒方洪庵 尊攘派弾圧の幕末機動隊 新撰組 維新史を飾った影の実力者 坂本竜馬 花の都パリに現れた侍たち 幕末遣欧使節 上野戦争の官軍総司令官 大村益次郎 北海道開拓に夢を託した人々 新世界”蝦夷地開拓史” 【感想】 緒方洪庵と大村益次郎は教科書に掲載されている人物程度の知識がなかったが興味を持った。 特に農民出身で馬に乗れず、刀もうまく抜けないのに、いつのまにか官軍の総司令官になっている大村益次郎は、銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーのようで面白い。 興味がなかった人物や出来事が急に魅力的に見えてくる。 この手の対談本はこれがあるから、つい読みたくなる。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい





