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この本の感想・レビュー(1件)
真実とは怪しいものではなく、危ないものなのです。
Webで無料公開された「親鸞」(上巻)は、僕に五木寛之の名を知らしめてくれました。そのWeb上巻はアメリカにいる間に読んだのですが、これがやけに面白く、日本に帰ったら早いうちに下巻も読もうと思っていました。その下巻です。 話は、専修念仏を説く法然に心から仕え、ただひたすら阿弥陀の本願を信じる親鸞の姿にスポットが当てられています。専修念仏は当時異端の教えでした。しかし、親鸞にとっては、それが本能的に危ないものだと察知してても、真実以外の何物でもありませんでした。親鸞の一生はこれを守りぬき、信仰としてさらに発展させることに心が定まります。 しかし、異端は異端。仏教守旧派や比叡山から目の敵にされ朝廷を介して弾圧を受けたり、同じく枕を並べている法然門徒が、上人の意を必ずしも反映していない過激運動をしたり、なかなか親鸞に落ちついた生活が訪れることはありませんでした。が、そんな中でも、紫野を嫁に娶ったり念仏の教えに身を置けたりしたことが親鸞にとっては幸せでした。この本の面白さは、また親鸞の強さは、こうした葛藤の多い人生に身をおいても尚、心安く直向きに生きていったところにあると思います。 この本からどのぐらい親鸞に親近感を覚えるか、それで読者の性格もある程度分かるかもしれません。とても面白い小説です。
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