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栄治の成長の日々を追体験
無実の罪をきせられ、復讐心に取りつかれ人間不信に陥った栄治が、人との係わりの中で、少しづつ気付きを得て変わっていく栄治の精神修のお話。 栄治の人間としての成長を見守り、見届けた気分になる1冊です。 タイトルの‘さぶ’は、栄治を何の見返りもなしに献身的に支える幼馴染で、さぶの視点から語られることはありません。 栄治のお話なのにタイトルはさぶ。 ここに著者の視点が明確になっています。 さぶの存在が栄治を救うと同時に、人間という弱い存在の全部を肯定しているように感じました。 欲に目がくらむのも人間、しかしどこまでも自己犠牲を厭わないのも人間。 また、社会も善悪、白黒できっぱりと選別できない複雑さを含んでいるもの。 何事も二元論で語られることなく、全ての者の事情を汲もうとする著者の人間・社会に対する対峙の仕方がとても好きです。 浮世の面倒臭いことは限りないけれど、人間って悪くないと思わせてくれるのが著者の真骨頂です。
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