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この本の感想・レビュー(3件)
あなたは科学者向き?
分子生物学者である著者が物質と生命との違いとは何かを分子レベルで解説した生物学の入門書です。 「生命とは自己複製するシステムである」と定義する著者。 生命を分子レベルで説明できるという立場で行われてきた様々な実験的アプローチを、オブワルド・エイブリー、アーウィン・シャルガフ、キャリー・マリス、ロザリンド・フランクリン、ワトソン&クリック、エルヴィン・シュレーディンガー(生命とは何か)、ルドルフ・シェーンハイマー(動的平衡)、ジョージ・パラーディなどの業績を整理して書かれています。 シェーンハイマー 「秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない」 人間の(生物の)肉体は、外界と隔てられた個体と考えがちですが、それは分子レベルではゆるい「淀み」でしかなく、絶えず入れ替わっているということ、その流れ自体が生きているということなのです。 ヒトの遺伝情報がヒトゲノムとして解明された今、全てが分子として説明がつくのかというとまだまだ科学的には途上ですが、偉人たちの足跡が系統立ててわかります。 私自身、大学では「科学」と名のつく学科に在籍しておりましたが、自分自身が「科学者」として生きていくことは到底無理だなとつくづく思いました。まして日本の大学で、企業のようなのヒエラルキーに身を置いたら、おそらく愛想つかしてしまうでしょう。そもそも自分の持論に執着してしまう私のようなタイプの人間は科学者には向いていないとホトホトわかりました。 さて本書ですが、分子生物学者が書いたとは思えない美しい文章に引きつけられます。学生時代できれば高校時代にこんな本に出会えたら、人生変わるかもしれません。特に理系志望の高校生には読んでもらいたい一冊ですね。
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生物と無生物のあいだをたゆたう何者か
生命とは何か? 「それは自己複製を行うシステムである」 これが本書のテーゼである。 そしてこのテーゼの基盤となるのは、互いに他を相補的に写し取っているDNAの二重らせん構造である。しかし著者はそれだけでは生物の定義として不十分であるという。この定義だけではウィルスは生物だということになる。ウィルスは細胞にとりつき、自身のDNAを細胞内部に注入することでそのシステムを乗っ取り自己増殖する。 しかし、著者はウィルスを生物であるとは定義しない。「ウィルスは生物と無生物のあいだをたゆたう何者かである」とする。そのあたりの境界、生物と無生物を隔てるなにかをさぐりあて定義する、それが本書のテーマだ。読ませます。それも私のように科学に暗い人間にもわかるように、しかも興味を持たせ続けながら読ませてくれます。すばらしいの一語に尽きる良書です。
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生物の定義をどう考えるか。
著者が提唱する(オリジナルはルドルフ・シェーンハイマー)「動的平衡」論をもとに、生物を無生物から区別するものは何かを、我々の生命観の変遷とともに考察したエッセイ。自身の研究生活も紹介している。
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