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この本の感想・レビュー(1件)
こんな青春を送りたかった!
ライトノベルでラブコメ的展開の話は数々あるけれど、 このシリーズほど、青春の痛さや青さをちゃんと描いている作品はマレだと思う。 そしてそれこそがこの作品の最大の魅力だと思っている。 そういう意味で、今回も、あいかわらず、いい感じだった。 前巻の最後。 クリスマスイブでの美咲先輩の号泣で終わって、 そのすぐ翌日から今巻は始まっている。 とは言え、美咲と仁のことはすぐに解決できるようなことではなく、 この巻の間ずっと背後に描かれることになる。 その代わり表では、 年末年始、女性三人を連れ込んだ(笑)空太の怒濤の帰省と、 ゲームのプレゼン、妹の受験騒動、バレンタインデー、 そして卒業間近のクライマックスと、 空太のある種の奮闘が描かれている。 誰かに追いつきたいという切なる想い。 そのための高見を目指してする努力。 成果を示す場での緊張と不安。 そして認められた喜びと高揚感。 そんな空太のいくつもの心情が丁寧に描かれていて、 あいかわらず読んでてすごく惹き込まれる。 うん、いいなあ。やっぱ青春だなあ。 この真っ直ぐな想いと真っ直ぐな努力がすごくいい。 バレンタインデーの校舎の屋上。 ましろと空太のなんて初々しいこと。 ただ手を繋ぐだけのことが、こんなにも恥ずかしくてドキドキして温かくて、 そして、嬉しいなんて。 いや、青春だよなあ。 なんだかこっちまで恥ずかしくなって、でも、ニヤニヤしてしまう。 そして、クライマックス。 美咲たちの卒業間近のやっぱり(笑)校舎の屋上。 仁と空太の、なんて熱くて小っ恥ずかしいことか。 美咲と仁の、なんて痛くて苦しくて切実で……最後にホッとさせてくれることか。 ああ、もう、全てが青春だよ。 いいなあ。自分もこんな青春を送ってみたかった。 いや、ほんとに、そう思う。 うん、今巻もいい話だった。 ただ、空太とましろの漫才はちょっと少なめだったかな(笑) 物語は美咲たちの卒業で幕を下ろしそうな感じではあるけれど 空太とましろと七海の関係はどうなるのかな。 それとも、まだしばらく続いてくれるのか? とりあえず短編集になるという次巻を楽しんで待とうと思う。
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