復活〈下〉 (新潮文庫)
トルストイ
一種の思想書
物語とは別に、社会に対する批判をする筆者のコメントが所々に現れるので、一種の思想書とも言える。 刑務所の様子や農村の様子を描くことで、社会・政府・司法の堕落を批判しており、こうした社会への不満がロシア革命への原動力になったのかと読み進めていた。しかし、宗教(キリスト教)については当時の教会に対する批判はあるものの、原点である聖書に返り、精神の安定を訴えており、唯物論とは逆の見解であった。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
復活 (上巻) (新潮文庫)
トルストイ
帝政ロシア時代の様子がよくわかる
青年貴族が、かつて愛した下女(娼婦に身を落とした)の殺人事件の裁判の陪審員になったことから、彼女の無実を晴らすために奔走したり、刑務所に拘束されている無実の人々を助け出したりする。一方、金持ちの土地所有が貧しい農民の生活を苦しめていることを憂い、自ら所有する土地を農民に解放しようとする。 貧富の差が拡大した帝政ロシア時代に書かれたもので、当時の様子がよく理解できる。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ
ジェイ・エリオット/ウィリアム・L・サイモン/Jay Elliot/William L. Simon
シンプルで美しいもの
アップル社設立早期から人事部門担当副社長として長くスティーブ・ジョブズ氏と共に働いてきた著書が、PC市場開拓期から始まり、ウィンドウズに圧倒された低迷期、ジョブズ氏がアップルからの離脱・復帰、iPod・iPhoneの成功と時代を追ってジョブズ氏の進取の精神、ものづくりへのこだわり、リーダーシップ、先見性などの優れた部分を語る。 シンプルで美しいものというジョブズ氏が堅持してきたコンセプトが重要な要素であることは間違いないが、それ以上に自分の理想を語り、人を説得する能力が優れていたことが、現在のアップル社の成功を導いたということがわかった。 現在絶好調のアップルの今後は、組織として(あるいは第2のジョブズ氏?が)亡きジョブズ氏の進取の精神を維持していけるかどうかにかかっていると思う。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
デビッド・カークパトリック
株式価値以上のもの
今やSNSのトップとして君臨するフェイスブックの成功物語。ザッカーバーグ氏への密着取材から書かれたものなので、ややバイアスはあるものの、コンピューターおたくの学生が興味本位で作ったサイトを企業経営の形で成長させていく過程を詳しく知ることができる。 ベンチャー企業の成功の度合いは、株式の時価総額で計られることが一般的なので、本書にも株式の価値や、資本注入といった話が頻繁に出てくる。条件のよい買収の話を飲まず、経営権を他に渡さずに成長させてきたことが経営上の成功と言えるが、それ以上にフェイスブック自体の進化の可能性を信じ、ユーザーの信頼を得るプログラム作りに専念してきたことが重要な成功の秘訣だと感じる。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
やはり、肉好きな男は出世する ニッポンの社長生態学 (朝日新書)
國貞文隆
インパクトのあるタイトルだが
インパクトのあるタイトルで、序章は面白いが、本編は大企業の社長人事などを解説した結構まじめな内容。企業取材の経験が豊富であるなら、もう少しインタビューをベースにした生々しい内容が欲しかった。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
早朝起業―「朝5時から9時まで」の黄金時間を自分のために使う方法
松山 真之助
早起きしてみるか
朝4時に起床し、始発電車で出勤。毎日1冊の本を読み、メルマガで書評を発信し、本の出版や講演会、ラジオのパーソナリティー等の副業を行うという筆者。 真似をするのは難しいという感じもするが、早朝の頭の冴えは確かである。また、書評を書くなどのアウトプットは記憶の定着や発想の柔軟性を保つのに役立つというのも、自分も年間100冊の本を読み、忘れないために簡単な書評を書くようになって3年経つのでよく理解できる。後は実行するのみか。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
風評被害 そのメカニズムを考える (光文社新書)
関谷直也
危険とどのようにつきあうか
風評被害という言葉が使われているが、最近作られた言葉であり、明確な定義はないらしい。事実と異なった噂が広まったことで被害を受けたことを指すが、事実と異なっているかどうか解釈が難しい問題が多いのが実際のところだ。マスコミの報道のあり方の問題もあるが、風評被害を恐れて情報を隠すことがあっては本末転倒になる。 また、風評被害を未然に防ぐ手立てはなく、起こったときに自治体や組織としてどのように対処するかが重要となることを訴える。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
ビジネス脳を磨く (日経プレミアシリーズ 6)
小阪 裕司
感性社会とは
情報化社会が発達するにつれ、人の購買行動は、単にモノが安いからとか良いからという観点だけで選択する工業化社会から、感性に訴えられるモノを選択するという感性社会に移行しつつある。モノが豊かになり、機能レベルも向上し、かつ情報取得も容易になったが故に、より高い次元の感性(共感とも呼べる)が重要になってきたということ。 個人の購買行動に限らず、あらゆるビジネスや社会行動においてこの観点は重要ではないかと感じる。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
摂関政治〈シリーズ 日本古代史 6〉 (岩波新書)
古瀬 奈津子
母系社会の構造
藤原道長で知られる摂関政治は、政治闘争で勝った藤原氏が作った制度というわけではなく、天皇が能力のある物に政治を委ねたり、母系社会の構造が生み出した政治形態であることがわかる。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい
創造の方法学 (講談社現代新書 553)
高根 正昭
模倣を禁じる教育
社会科学における方法論の重要性を説いた本。 統計学やコンピューターの発達した現代ではそんなことはないはずだが、本書の書かれた70年代までの日本は仮説の実証の方法が未熟だったということがわかる。 少し話しはずれるが、米国の新しいものを創造していく力は、模倣を禁じる教育方法にあるという論点は納得できる。
この感想・レビューは参考になりましたか?
はい




